賃貸経営には将来的な収支計算が不可欠

一口に収益不動産といっても、その実態はいろいろとあります。賃貸投資用として販売されている物件でも、立地条件や設備価格帯等によってはまるで儲からない、経営ができないということが少なからず起こってきています。そこで購入を決定する前に、どんな物件を選べばよいのか自分なりの基準を持つことが大切になってきます。まずは頭の中で考えた年間の家賃の収入額だけでなく、空き室率を見込んだ実質家賃の収入額を試算して、これと物件の価格を比較して初期投資を回収するまでにかかってくる期間を算出することが大切になってきます。この期間が長ければ長いほど、回収時点での物件の資産価値は下落するものと考えて間違いがありません。さらに回収までの期間が長い場合、途中で大規模な修繕、リフォーム工事等の必要性が出てきてさらに回収期間が長引くことが予想されます。ですから比較的に短期間で初期投資の回収の見込みが立つこと、それまでの投資利回りが良い物件を選ぶことが、確実に収益を上げることができる賃貸不動産のポイントになっています。
投資利回りというのは物件投資額に対して、1年間で得られる収入の比率のことを言います。たとえば1200万円の物件を月10万円の家賃で貸した場合、年間120万円割る1200万円で投資利回りは10%の利回りということになります。この収支計算だと一見10年後には初期投資をすべて回収できているように思えますが、実際にはここに付随していろいろな費用が発生してきます。まず賃貸物件の管理費、経年劣化による貸主負担の修繕費、固定資産税、初期投資の1200万円が借入金ならば利息も必要になってきます。さらにもし空き室となった場合、次の入居者が決まるまで家賃収入はゼロになってしまいます。空き室のままであっても管理費や固定資産税はかかりますから、実際にはマイナスという収支になります。また地震や台風や火災などの災害により物件が損壊してしまえば、やはり家賃収入はストップします。こうしたリスクに備えて月々の保険料もおろそかにはできません。これらの支出をあらかじめ組み込んだうえで、損益分岐点がいつになってくるのかを常に意識しておくことが大切になってきます。ここで忘れてはならないのは物件の価格は、元本保証されないという事実です。賃貸経営にはこれらのお金の流れをしっかりとつかんで、経理を行っていくことも重要なポイントとなってきます。

不動産における賃貸物件の経営と入居者への対応

賃貸マンションや賃貸アパートなどでは、入居者がその費用などを滞納したりすることがあります。特に不景気が長く続き、人によっては退職を余儀なくされたりあるいは転職するのにお金がない状態が長く続いたりします。その結果、賃貸料を滞納したりするわけです。
このとき、経営者側としては一刻も早く賃料収入を確保したいわけですから、入居者に対して高圧的な対応をとる人も少なくありません。極端な例としては、賃料振り込み期限の翌日にすぐさま鍵を取り替えたりして、今までの入居者が入れないようにするケースなどもありました。今までは、借りていた人が悪いという理屈で高圧的な態度をとる人も多くいたものです。
ところが、こうした経営に待ったをかけるように、裁判沙汰となって係争案件になった例も出てきました。その判例では、賃料収入を支払わずに翌日に鍵を取り替えたのは違法として、かえって賠償金などの支払を命じられるに至ったものです。これでは何のために賃料収入を得るための経営をしてきたのか分からなくなります。無論、いつまでも滞納者を放置しておいてよいわけではありません。ただ、一定期間は行うべきことを行って適切に対処を行うことが必要であるわけです。
退去を求めるにしても手続きを踏んで行う必要があります。賃料の未払いには督促などを行い、その対応を粘り強く行うことが求められます。場合によっては弁護士などに依頼をすることにもなるでしょう。長期にわたる場合には、入居者がそのまま居座ることもあり得るために注意をして、その対応に当たらなければいけなくなります。

賃貸経営はこうしたリスクも抱えながら、収入を得ていくべきものです。また、生産性の問題としてアパートなどの建築を行って、相続税などの節税及び賃料収入を得ようという動きが出てきていますが、これからの日本では少子化及び高齢化の波が押し寄せてきます。すでに人口減少時代になっていますので、よほどの物件で無ければ賃貸物件に入居をしてくれる人は少なくなることは間違いがありません。したがって、賃貸経営を行う場合には余程の覚悟と経営手腕が無ければ、厳しい状態になる可能性も出てきます。
こうしたこと以外にも、賃貸では借り主側が有利になるケースもしばしばあるものです。また、敷金や礼金などの設定でも借りる側が知識を蓄えてきましたので、今までは言いなりになりがちだった借り主側と争うような事態も出てきます。こうした覚悟をした上で入居などの話しをすることが求められる時代になったわけです。

賃貸経営は管理会社に委託することもできる

賃貸経営の管理業務にはいろいろな形態があります。1から100までやっていく人もいますし、一括借上げで管理会社に委託する人もいます。一括借上げが今流行っているといえるでしょう。経営していく方法はさまざまであるので、自分に合った方法にするのが良いとされています。経営をうまくいくようにするには、日頃からの積み重ねが大事です。長期的にやっていけているのは、管理が安定的に継続して行われているところだけです。
賃貸の管理は何をするべきかわからない人も多いでしょう。入居者と建物の両方をうまく調整していくのです。入居者についての業務はたくさんあるので、大変となっています。入居者を斡旋してくるのはまずやるべきこととしてあげられるのです。客を連れてこられるかどうかはその人次第といえます。
賃貸借契約を行うには宅地建物取引主任者を使ったりしなければなりません。家賃を回収する際は滞納されたときにどう対応するかが重要となってきます。退室時に手続きやトラブルに対処したり、独自のやり方が必要です。
一括借上げで委託してしまう人もいます。オーナーが不動産管理会社と一括賃貸借契約を結んで行う方法です。この際、入居者は管理会社と賃貸借契約を結ぶことになっています。難しくて専門性の高い対応のすべてを任せてしまえるのでオーナーがいろいろとやらなくて済むようになるのです。サブリースと言い、近年徐々に浸透してきた方法になります。
空室による収入減に陥らずに済むこともメリットとしてあります。空室があっても、全室分の家賃がオーナーに支払われるので、安定しているのです。家賃の払わない人がいてもすべての家賃分が支払われます。収入が安定すると収支を計算していきやすいです。空室で収入がうまく得られないということがなくなるため、安心して取り組めるでしょう。

すべておこなってくれるので、ただ状況がどうなっているか聞いていくだけとなります。普通にサラリーマンをやっている人がおこなうこともありますし、専業でおこなう人もいるでしょう。サラリーマンの方の場合だと、自分で何もかもやることは困難です。一括借上げによって収入を得ていくという道に必然的になるといえます。老朽アパートをなんとかして収益につなげたいといった方が建て替えて一括借上げで収益を得ていくという事例もあるのです。
昔よりもトラブルを処理するのも法律などの影響により、複雑化しています。そのため、一括借り上げで委託する人が増えているのです。注意することはオーナーとしての自覚をきちんと持つことでしょう。いっさい手を加えず人任せだとしても、経営者であるのには変わりないです。意思決定だけはしなくてはならない時もあります。建物の設備を修繕するかどうかなど決めなくてはなりません。オーナーとして自覚を持って取り組むことも重要になってくるのです。

賃貸経営では入居者を管理するシステムを作ろう

賃貸経営で収益を得たいと考えている人は、その物件の入ってくる入居者の管理をきちんと行うことが可能なシステムを構築しなくてはいけません。これは、素人ではなかなか難しいことであるため、普通は専門の業者に業務委託を行って実施してもらうことになります。そもそも、収益物件として賃貸を経営していくときには、それ相応の準備と法律的な知識が必要になります。まず、収益物件を管理する人は、入居者に対してその部屋に関する重要な事項に関する説明を行わなくてはならないので、そのための宅建業の資格が必要になります。これは、契約をした後に入居者とトラブルになることを回避するためです。賃貸物件として提供している部屋には、様々な事情が存在します。例えば、従来までそこで暮らしていた人が何らかの事故に巻き込まれて亡くなったような場合には、そうした物件は事故物件として扱われるようになります。実は、近年まではこうした事故物件に関する入居者への説明義務は法律的には存在しなかったのですが、管理が厳しくなった現代社会では事故物件を入居希望者に対して貸すときにはその事情を説明しなくてはいけません。仮に、事情を説明しないでその物件を借りた人が何らかの事件や事故に巻き込まれてしまったときには、その部屋の大家や管理会社は罪に問われることになります。ですから、こうした事前の説明は非常に大切で、入居希望者を目の前にして物件を管理できる人が説明をしなくてはいけません。賃貸経営を行う際には、こうした事情があるため所有者本人が経営を行っていくのではなく、不動産管理に長けた専門業者に依頼することが一般的です。専門の業者に対して業務委託をするメリットはいくつもあります。まず、入居者の管理のシステムを業者が作成してくれることです。契約書やそれの基づいた部屋の状況なども全て管理してくれますので、所有者が何らかの対応をしなくてはならないことはありません。また、業務委託をすると、その業務に関する一切の責任をその業者に対して預けることができます。そのため、万が一にでも住人とトラブルになったとしても、業務を委託している不動産の所有者は何の責任も取る必要はありません。つまり、リスクなく賃貸経営を進めていくことができるようになるわけです。入居者の管理システムの構築は面倒ですし、トラブルの処理もリスクが高いので、業務を任せて収益だけを効率的にもらう方法が非常に大切になります。

賃貸経営は建物・部屋の入手が成功の最も重要なポイント

近年、マンション投資が活発化し、サラリーマンや公務員をする傍ら賃貸経営を行う人が増えてきました。不動産投資を始める人は誰でも経営が成功することを望みますが、建物・部屋の入手が賃貸経営の収益性を大きく左右します。不動産投資は株式などとは違い、入居者というお客様がいて初めて成立するものです。用意した物件を貸すという、サービスの差がつきにくいものではありますが、商売としての要素が大きくなります。そのような背景があるからこそ、不動産オーナーが専業トレーダーとは一線を画す存在なのでしょう。

これから物件を購入する方は、まず今後どれだけの期間、不動産投資を行うのかを考えてみましょう。年金が始まるまで、人生が終わるまで、子や孫の代まで伝えるなど、それだけで多くのケースがあります。もし現在40代以降の方で、あくまでも自分の代だけで投資を行う場合は新築物件は候補から外れるのが分かるでしょう。重要なことは、建物はいずれ必ず取り壊すということです。賃貸経営を続けるかの岐路に立たされる問題であり、そこで不動産投資を終わらせる方も多くいます。もし不動産投資に永続性が無い場合は、終了までの期間を一番上手に使える(稼ぎ切って終了する)物件を選びましょう。それだけで建物・部屋の入手のヒントになるはずです。次に、物件を選ぶ地域を考えてみます。賃貸経営は数十年に及ぶものであり、その間に物件のある地域の人口が減ってしまうと非常に不利になります。地方の物件の利回りの良さが注目されますが、人口が減少し、特に減少率の激しい地方に手を出すのは賢明とは言えません。もちろん全ての物件がそうだとは言えませんが…。周辺の事情を細かくリサーチし、人口の源となるもの、鉄道などのインフラ整備の状況や、大学や企業の進出計画を知るべきです。東京23区内など、ほぼ確実に人口が維持される地域はありますが、初期投資が高くなるデメリットがあります。見込みのある地域の中で、自分にとって魅力的な物件が一つの基準となるでしょう。

賃貸経営のことを学ぶためにはこちらの記事も参考にしてくだい
デザイナーズ賃貸物件を探すときに気をつけたいこと

年功序列や終身雇用制度が無くなり、将来の生活が心配な方が増えています。賃貸経営は将来の生活を豊かにする方法であるのは間違いありません。しかし失敗事例も多いのは事実です。焦らず、納得できる物件を探しましょう。もし判断に自信が持てないのであればやらないのも正解の一つです。重要なのは、流されず、焦らないことです。