不動産賃貸における家賃滞納トラブル

 不動産賃貸にあたっての懸念事項として挙げられる代表的なものが、空き室と家賃滞納のリスクでしょう。空き室の場合は、次の入居者を見つけることに専念できますが、家賃滞納者が居住中の場合は、それもままなりません。
 家賃滞納時のトラブルに備え、家主はたいてい、入居時に連帯保証人を立てることを求めます。しかし、居住期間が長くなると、連帯保証人に家賃を支払う能力がなくなっていることもあります。以前は連帯保証人の個人保証のもとに、賃貸契約を結んでいましたが、最近は家賃保証会社が数多く登場し、多くの家主が連帯保証人と家賃保証会社の利用の両方を求めるようになってきています。

 高齢化社会が進み、家族形態も変わったことで、連帯保証人を立てられない借り手が増えています。賃貸物件の供給過多が進んでいることもあり、家賃保証会社を利用すれば、連帯保証人を不要にしている家主も相当増えています。借り手にとっては住み替えがしやすくなり、家主も空室を埋めやすくなっているため、これは双方にとって、好ましい変化と言えるでしょう。家主にとって、連帯保証人による個人保証よりも、家賃保証会社の保証のほうが望ましいのは言うまでもありません。しかも家賃保証会社の利用料を支払うのは借り手であり、借り手は連帯保証人を立てるよりは、とほとんど抵抗なく利用料を支払います。
 家賃保証会社は、滞納した家賃を一時的に家主に立て替え払いはしますが、立て替えた分を必ず借り手に請求し、回収するスタンスです。家賃保証会社も滞納した居住者には、転居することを望みますが、立ち退きを要求できるのは家主だけです。立ち退きについては法律で詳しく決まっているわけではなく、ケースバイケースで解決が図られます。家主と入居者の話し合いで解決せず、トラブルとなった場合は、裁判所が個々の事例をその都度判断することになります。
 一般的には、4カ月の家賃滞納があった場合に、立ち退きの判決が出やすくなります。そのため、家賃の滞納が3か月続いた場合、内容証明による督促などをおこない、その後に訴訟提起するケースが多いです。家賃を2,3か月滞納したからと言って、すぐ強制的に退去させることはできません。日本では住宅不足がずっと続いていて、家主に対して借り手の立場が非常に弱かったため、居住者を守るさまざまな法律が制定されています。不動産からの強制退去を独自に迫ると、法律に抵触します。不動産からの強制退去は、裁判所の判決が出てから、執行官がおこなうものとなります。